2015年05月21日

目に焼きついたモモちゃんの3つの顔 (3)

思い出に残るモモちゃんの顔の中でも、今回のモモちゃんは
浮かんで来ると、当時の事が思い出され辛くなります。
あの時のモモちゃんはとても哀しい目をしていました。(ー_ー)!!

モモちゃんが5歳の夏でした。
近くの動物病院に健診に行った際、モモちゃんはヘルニアかも
知れないと突然、先生に言われてしまったのです。
そして、ここには小鳥用のレントゲンなど検査の設備がないので
専門病院で検査していただいた方が良いのではと勧めて
くださったのでした。
翌々日、モモちゃんを連れて東京の小鳥の専門病院に行きました。
当日は取り敢えず検査だけしていただく予定だったので、日帰りの
つもりで出かけたのですが、レントゲンを撮るのにも2時間前に
薬を飲ませたり準備があるので、終るのが夕方遅くなってしまうと
いうことでした。
電車の乗り換えも考えたら自宅まで3時間半位かかってしいます。
早寝のモモちゃんを夜遅く連れて帰るのも心配になり、結局1日
検査入院ということになってしまいました。
何も知らずに遠くの病院に連れて来られ、レントゲンやMRIと
次々検査され、挙句の果てはひとり知らない病院に取り残されて
しまったモモちゃんはどんなに心細く、傷ついている事でしょう。
私に捨てられたと思っていないでしょうか?
モモちゃんの気持を思うと帰り電車の中でも涙が出て困りました。

夜、院長先生から検査結果のお電話をいただきました。
モモちゃんはヘルニアではなく輸卵管に古い卵が割れて詰まって
いるので、早急に輸卵管の摘出手術が必要だということでした。
先生のご説明を伺うと選択の余地もないようでした
「いつもやっている簡単な手術ですから何も心配はいりません。
99%保障します。」という先生の力強いお言葉をいただき翌朝
一番に手術をすることになりました。
小鳥の専門病院での検査を勧めてくださった近くの動物病院の
先生に深く感謝です。お陰様でモモちゃんは元気で体力がある内に
手術が出来る運びになりました。

翌朝、朝一番の電車で病院に駆けつけると丁度、手術が終り
手術室から出て来られた先生が「手術は成功ですよ!モモちゃんも
元気ですよ!」と明るく言ってくださいました。
そして暫らくすると看護婦さんの手に包まれたモモちゃんが手術室
から出て来ました。「モモちゃん」と小さく声をかけましたが、まだ
麻酔から覚めないようで目をつむっていました。
でも元気そうなモモちゃんを見てホッとしました(^^♪

先生から手術の経過を伺い摘出した輸卵管も見せていただきました。
10日間くらい入院が必要ということで、モモちゃんには引き続き
頑張ってもらわなければなりません。
勝ち気でお転婆ですが、でもとても甘えん坊なモモちゃんをひとり
病院においておくのが何とも不憫でした。
「モモちゃん頑張ってね。手術が終れば卵の心配もなくなり元気に
長生き出来るのよ!」と心の中でモモちゃんに語りかけました。

モモちゃんの麻酔もきれ、入院部屋に入ったということで、やっと
面会出来る事になりました。
ドキドキしながら看護婦さんに案内されて病室にはいりました。
手術を終えたばかりのモモちゃんは一番入口の無菌出の特別の
ケージに入っていました。
病室にはケージがいくつも並んでいて、入院中の鳥さんが何羽も
いました。
私達が入って行くとケージにしがみ付いて来る鳥さんもいましたが
モモちゃんは入口に背を向けて左端に背中を丸めて、うずくまって
いました。手術直後ですから当然のことかも知れません。
「モモちゃ〜ん!」と声をかけるとモモちゃんが振り向いて私を
見てくれました。
でも、一瞬振り返っただけで直ぐにまた背を向けてうずくまって
しまいました。
「モモちゃん、良く頑張ったわね。モモちゃんは偉いね〜!」と
いろいろ話しかけましたが、モモちゃんは2度と振り返ることは
ありませんでした。
今日はモモちゃんは辛いのでしょう?疲れている事でしょう。
看護婦さんに食べ物のことなど質問したり、モモちゃんの日常の
事をお願いして「モモちゃん、今日はおかあさんも東京に泊るから
明日はまた早く会いに来るわよ。今夜はゆっくり休んでね。
頑張ってね。」と声をかけ病室を出ました。
一人になると、一度振り向いてくれた時のモモちゃんの寂しそうな
目が浮かんできて涙が止まりませんでした。

翌日、病院が開くのを待ってモモちゃんに会いに行きました。
今日はモモちゃんは私の近くまで来て甘えてくれるでしょうか?
期待しながら看護婦さんと病室に入りました。
ところが私が声をかけると近くの他のインコちゃんはケージに
しがみ付いて来るのですが、モモちゃんは昨日と同じ、左の端に
うずくまったまま一度振り返って私の顔を見るだけで、後は何度
呼びかけても、振り返ってはくれませんでした。

看護婦さんにごはんは食べますか?と伺うと、栄養価の高い
物は食べますが、普通の総合餌は食べません。でも、ごはんを
食べるのと同じように栄養は補っていますから大丈夫です。と
いうことでした。
入院病棟に私がいる間は看護婦さんがずっと一緒なので
モモちゃんとゆっくりお話をしたり、あまり長居は出来ないのが
寂しいところでした。
勿論、他の鳥さんも入院している訳ですし、部外者を一人おいて
おく事は病院としては出来ない事でしょう。仕方がありません。

毎日モモちゃんに会いに行きましたが一度だけ振り向くという
モモちゃんの態度は入院中ずっと変わる事がありませんでした。
モモちゃんは賢い子でしたから何もかも承知していたのだと
思いました。
例え私の呼びかけにモモちゃんがケージにしがみ付いて来たと
しても、家に帰れる訳もなく、どうにもならないことを分かって
いたのだと思います。
一度だけ振り返るという態度を、モモちゃんは見事に11日間
つらぬきました。
そして食べ物も栄養価の高い物(カナリーシードだったようです)
だけ食べて総合餌は食べなかったというのも貫いたようでした。

退院した日に自分のケージに入れてもらい私の所に来た時の
モモちゃんの見違えるような明るい、嬉しそうな様子を見て
病室でモモちゃんが見せた気持がはっきり分かりました。
帰りの電車の中で嬉しそうにモモちゃんはケージにしがみ付き
ごはんも一生懸命食べてくれました)^o^(
病室でうずくまったまま振り返ったモモちゃんのあの寂しそうな
目が私の脳裏に今も焼き付いて離れません。





ニックネーム ハル at 13:32| Comment(13) | セキセイインコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする